家事に育児に仕事に腐萌妄想にとアレコレ奮闘中
サイトから離れてますが、毎週ちゃんと(?)WJで悶えてますよぉ
ヒバリと隼人が同じ空間にいるって事だけでも萌えですよね
同じ空気吸ってるだけで、最近絡みが少ないと嘆いていたヒバ獄スキーには堪らんのではないでしょうかww
もっと絡め! 絡むんだ!! ヾ(@°▽°@)ノハァハァ
・・・話それました。
先日悶えてましたA/K/BのイメソンSS。
「RIVER」と「君のことが好きだから」はヒバ獄ソング推しにしていいんじゃないかと思います(^^
そんなカンジで、「RIVER」をイメソンにヒバ獄ショートを書いてみました。
※A/K/Bが苦手な方、歌詞転用が受けつけない方はご遠慮ください
※設定は未来編 大人ヒバリ×14隼人(notR18)
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ヒバリと隼人が同じ空間にいるって事だけでも萌えですよね
同じ空気吸ってるだけで、最近絡みが少ないと嘆いていたヒバ獄スキーには堪らんのではないでしょうかww
もっと絡め! 絡むんだ!! ヾ(@°▽°@)ノハァハァ
・・・話それました。
先日悶えてましたA/K/BのイメソンSS。
「RIVER」と「君のことが好きだから」はヒバ獄ソング推しにしていいんじゃないかと思います(^^
そんなカンジで、「RIVER」をイメソンにヒバ獄ショートを書いてみました。
※A/K/Bが苦手な方、歌詞転用が受けつけない方はご遠慮ください
※設定は未来編 大人ヒバリ×14隼人(notR18)
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『RIVER』
十年前のキミは、こんなにも小さく、そして弱い者だったのか。
夜明け前の食堂で、ひとり宙を見据えている獄寺隼人を見かけた時、ふとそんな疑問が脳裏を過ぎった。
「眠れなかったのかい?」
口端を軽く上げ、僕は革靴の足音をわざと立て食堂へと足を入れる。
大人は全て敵だと豪語していた獄寺は、十年歳を取った僕は更に気に食わない存在らしい。
「なんだ、ヒバリか」
瞳だけチラリと寄こすや、すぐに背を向けてしまった。
椅子を大きく音を立てて引く威嚇が、まだまだ十四歳の子供だと苦笑してしまう。
「疲れすぎて目が冴えたとか?」
「別に疲れちゃいねえよ。ただ、明後日の事を考えていたら、こんな時間になっちまっただけだ」
明後日。
ミルフィオーネ基地への突入日だ。
「そ。寝不足で決行時に足手まといにならないのならいいけどね」
一定の距離をおいて歩を止める僕に舌打ちをし、獄寺は逃げるように席を立つ。
目の前のか弱い腕をギュッと掴んで「やはり」と確信した。
僕の指に伝わってくる小さな震え。「武者奮いだ」と負けず嫌いのこの子は大声で誤魔化して来るだろう。
「こ、これは武者震いだ!」
ほらね。
思っていた通りの回答に、目元を緩めてしまう。
バカにされたと思ったらしい獄寺は、力任せに腕を振り払い苦々しい表情で僕の前を通り過ぎて行った。
入り口の壁をギュッと掴み、眉間に深い皺を寄せる彼が可愛いと思う僕はいけない大人か。
全身溢れて止まない憤りや焦りを取り除いて欲しくて、姿が見えなくなる前に声をかける。
僕らしくないかも、と思ったけど彼をこのまま放っては置けなかった。
「心配する事はないよ、獄寺隼人」
また瞳だけを向けた彼に、僕はゆっくりと人差し指を向ける。
視線は彼の肩を超え、廊下の壁、いやその先にある見えるであろうものを捉える。
「いきなり何だよ、ヒバリ」
「いつだって夢は遠くに見えるものだし、届かないくらい距離を感じるものだ」
「は?」
小首を傾げるクセ、十年前から今も変わっていないね。
クスッと彼にはわからないくらい、小さく微笑んでしまった。
「獄寺、今、キミの目の前には川が流れている」
「は? 川?」
「そう、川だよ」
「何を言って……」
「その川は広く大きな川だ。暗く深く、流れも速い」
「…………」
「けど、怯えなくていい。離れていても向こう岸はある」
「…………」
指を下ろし、僕は瞳だけでなく体も向けてくれた小さな獄寺に歩を進めた。
華奢な両肩にそっと手を添える。
「ヒバリ」
「もっと自分を信じて、獄寺隼人。手を伸ばせば、そこに未来はあるから」
「…………」
肩に添える手に力を込めた。
望まぬ未来へ飛ばされてきた彼らに、僕はその裏にある『真実』を知っているが伝える事はできない。
ここが望まぬ場所でなく、望む場所に変える為にも。彼らが芯から強くなる為にも。
僕と沢田のエゴで彼らを巻き込んだ事に後悔などない。
選択肢がそれしかなかったのだから、後悔する事などできない。
ただ、できない後悔ならば、少しでも不安を過ぎらないよう彼らを導く責務を負いたいと切望する。
やはり僕には似合わない科白だったか。
獄寺は突然プッと息を噴出し、そっと手を払ってくる。大きく笑い上下する痩身には、迷いの奮えはもう無かった。
「ははは! らしくねえ事言ってんじゃねえよ、ヒバリ。お前に励まされるなんて気持ち悪い!」
「失礼だね、これでも昔からキミの背中を押していたつもりなんだけど」
「記憶にないね、思い違いなんじゃねえの?」
「僕が間違ってると? ワオ、バカにすると咬み殺すよ?」
「おっかねえな。わかったよ、ちゃんと過去に戻ったら確認しとくから」
笑顔が零れたのなら、もう大丈夫だろう。彼は沢田の為に、友の為にやってくれるはずだ。
「絶対確認してよ?」と念押しすると、獄寺はもっと破顔する。
瞬間、僕が開きかけた唇をすぐに閉じたのは、楽しそうに微笑む彼に『よからぬ言葉』をかけてしまいそうになったからだった。
十年前も。
そして、十年経った今も。
僕と獄寺隼人の関係は、面白い程一ミリも距離が縮まっていない。
『今、彼に自分の思いを伝えたら未来の僕達も変わるのでは?』
それは決して犯してはならないタブーの思考。何より十年前の僕に失礼であり、今の僕が惨めになるだけのもの。
彼は十年前の僕と。
そして僕は十年後のキミと。
気持ちを向き合う相手は、これが正しい。
「ま、とりあえず足下にある石を、がむしゃらに投げてみるよ。ヒバリが言う目の前に広がる川に、大きな波紋でも起こしてやるから」
この言葉に返しはいらないと、獄寺は頬を上げたまま踵を返す。
小さくも大きな背中に、僕はゆっくりと瞼を下ろした。
二十四歳のキミに再び会えたら今度こそ伝えたいと思う。十年かけても伝えられていない大切な二文字を。
十四歳のキミには、代わりに心からの激励を贈る。
「……川を渡れ、獄寺隼人」
囁くような声は彼に届いたらしい。
足を止める事なく、細い腕がスッと上がる。
それは激流にも負けない、力強くて真っ直ぐな櫂のようにも見えた。
(了)
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