家事に育児に仕事に腐萌妄想にとアレコレ奮闘中
1859online様にてUPいたしました「2009獄誕ショート」です。
恋人設定、やっぱり甘い(笑)
ちょっと隼人が高塔と同調?(爆)
それでもOKの方は【コチラ】からどうぞvvvv
※こちらのお話は後日完成版としてサイトにUPいたします
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『プレゼント』
今年は何かと忙しい年だと思った。十代目の右腕として責務を果たすのは当然の事ながら、それ以外にも細かい所用がカレンダーを埋め尽くしていきやがる。
特に夏休みに入ってからが激動だった。
ボンゴレ絡みであれば、三年に一度の総会議の手伝いや、日本における敵対マフィアの動向および内部調査などがあり。
並中絡みであれば、秋の文化祭準備や、十代目が参加される追加補習への御供兼御助言の役目などがあり。
尚且つ毎週末までにボンゴレ本部へ調査の結果報告もしなければならずで、とにかく色んな事が重なりに重なって……っ。
「だあああああぁぁぁぁっ! 何コレっ、何の祭りだよこりゃぁっ!」
突然叫びたくもなるってもんだ。次から次へと「この日はアレ、来週はアレ」と増殖しやがってっ。
あ、十代目は別件ですからね?
「だとしても忙し過ぎるわっ! 俺にどうしろって言うんだぁぁっ!」
そんな放課後の応接室で雄叫びを上げる俺は、この時、かなりの恐いもの知らずだったと言い切れる。
「ここでは静かに、って言ってるでしょ?」
先日も「うるさい」と殴られたばかり。我に返り、振り下ろして来るであろう制裁のトンファーに身構えた。避けても無駄だという事を今回も思い知らされる。
「イテテ。わ、悪かったよ。ちょっと頭がグルグルしててさ」
「忙しいのは知ってるよ。最近会ってないからね」
そう言うや軽く息を吐き凶器を収めたのは、恥ずかしながらも俺の恋人である並中の暴君代表、ヒバリだ。
去年の頭から付き合い始め、実は毎日のように応接室で逢瀬を重ねている。しかし夏の終わり頃からそれは叶っていない。
理由は簡単。
俺が忙し過ぎて、二学期になっても飛ぶ勢いで帰宅してしまうからだ。
辟易している上に、ヒバリにも会えないからストレスは極みまで上り詰めていく。
思考がそろそろ切れるだろうなぁ、と溜息をつき、火が点いていないタバコを咥えるや前歯でギリリと噛んだ。
「今日は予定が無いの?」
真向かいに座り直したヒバリが不意に問うた。
「あるよ。今日中に報告書を提出しなくちゃなんねぇ」
「いてもいいの? いつもならすぐに帰るじゃない、その報告書を作成する日は」
「帰るよ? 帰るけど、……今日はちょっとだけ栄養補給」
「?」
自分で言って照れる。頬を赤らめ顔を背けてしまった。
どんなドリンク剤よりも効くんだ。ヒバリという存在が、一番。
無表情だろうと、憤怒状態だろうと、呆れてバカにした目線だろうと、ただ傍にいて同じ空気を吸って、そして体温を感じるだけで「明日も頑張ろう!」っていう気になれる。
好き、という感情の特権。
お値段ゼロ円で確実に効く最高の栄養剤だ。
「ところで隼人。明日の予定はどうなってる?」
じんわりと身に沁みて来た効果に、ふにゃぁ、と変な声を出しつつソファーへと崩れた。と同時にヒバリが読んでいた本を閉じつつ質問をしてくる。眉根を寄せた。
「えっと……。あ、放課後は文化祭の打ち合わせがあるな」
「沢田一人だと心配だからって、キミまで立候補したアレだね?」
「おうっ。で、その後は、先週入院しちまった火薬屋のオヤジに贈る見舞いの品を買って」
「そう」
「明後日は十代目が補習をなされる日だから、特にイレギュラーがなければ終わるまで隣で一緒に勉強を……」
「沢田云々なんてどうでもいいし、明後日の事は訊いてない」
ここで急にムッとしやがる。すぐにヒバリは身を乗り出してきて、前置きもなく距離を縮められるた事にドキッと胸が跳ねた。
「な、何だよ」
「何が欲しい?」
「へ?」
小首を傾げた。
「どうせ気づいてないから言うけど、明日は誕生日でしょ?」
「……あ」
「何が欲しい?」
そうだった、9日は……。
口を開けたまま固まってしまった。「やっぱり気づいてない」と息を吐き、ヒバリは俺の横にと身を移動してくる。またドキドキッと震えた。ヤバイ、有り過ぎる効果は却って体に良くない。
離れろ、バカヒバリ。こ、このままじゃ静止が……。
自分の顔は真っ赤だ、間違いない。でも気づいていないフリをし、ゴホンッと咳払いをすると無理矢理の笑みのまま答えた。
「何が、っていきなり言われても、特には……」
「去年言ってたもんね。人から物を貰うのに慣れてない、って」
「あ、ああ」
直後、ニッと口角を上げられ思わず退く。
こういう表情の時、ヒバリは俺の肝を確実に潰しやがる。頬に流れるイヤな汗をそのままに言葉を待った。
が、次に言われたそれは肝は潰れるけど別の意味であり。
「―― じゃぁ、隼人には『時間』をプレゼントしてあげるよ。キミが走り回っている執務を、この僕が全て引き継いであげる」
「……は?」
何言ってんだ、オマエ。
呆けるが構わず続けられた。
「沢田のお守と見舞の品だっけ? それから何だっけ? ボンゴレへの報告書? そんなものは、敵対マフィアを殲滅させれば終わる話だ、コソコソ動向を伺うなんて聞いてて呆れる」
「ちょ、ちょっと待て。買い物はいいとしても、その他の事はオマエには関係ない……」
「ワオ。関係ないなんて言ってるのはこの口かい?」
即時ムギュッと抓られ涙が滲んだ。追って赤くなったソコを擦られドキドキドキッと脳が痺れてしまう。
「ヒ、ヒバリ?」
「悪いけど僕もストレス溜まってるんだ。なのに、会えないだけでなく隼人の誕生日も祝えないなんて、……絶対納得できない」
「…………」
「という訳だから、今年のプレゼントは『時間』を贈るよ。前払いで今日の報告書は僕が作ってあげるから。それじゃ、早速隼人のマンションへ行こうか」
「は、はぁっ?」
って、有無を言わさず立つなっ。
まだ呆然としている俺だけど、「ほら、早くして」と腕を引き上げられれば歩が進む。
何コレ。これこそ何の祭りだ。
要は誕生日に託けて、俺を独占したいだけの話じゃねぇか。
「……ぷっ」
あまりの事に噴き出してしまった。
これ以上放っておかれるのは嫌なんだってさっ、ヒバリさんはっ。ぷぷっ、めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか、素直に言えばいいのに言わない態度が特にっ。
「何笑ってんの。急がないと駅前のケーキ屋が閉まるじゃない」
「その前に、『明日はお気をしっかり持ってください』と十代目にメールしないと。オマエが突然横に座ったら、ビックリして倒れてしまわれるかもしれな、……ん? ケーキ?」
「誕生日にはケーキが必要でしょ?」
「だって明日じゃん、俺の誕生日は……、え……ええっ!」
次の瞬間、言葉の意味がわかって自分の体は発火した。
つ、つまり、『明日』までいるって事で、それって夜中までいるって事で……。
―― なぁにがプレゼントだよ。貰ってんのはオマエじゃん、結局。
「ったく。この甘えん坊ぉ」
「失礼だよ、キミ。言っておくけど別に深い意味なんてないからね?」
「へいへい。とか言ってベタベタしてくるんだろう? パターンは読めてんだよ」
「……咬み殺すよ?」
「へいへい。あ、ケーキはイチゴがたくさん乗ったホールがいいっ。一番デカイサイズなっ?」
……だから、有り過ぎる効果は良くないんだってば。
小突く俺を睨むも、すぐに「いいよ」と笑顔で了承してくれるヒバリから慌てて目を背けてしまった。
今年『も』最高の誕生日を迎えられる事に感謝する。
HAPPYBIRTHDAY dear HAYATO! with LOVE!!
END
今年は何かと忙しい年だと思った。十代目の右腕として責務を果たすのは当然の事ながら、それ以外にも細かい所用がカレンダーを埋め尽くしていきやがる。
特に夏休みに入ってからが激動だった。
ボンゴレ絡みであれば、三年に一度の総会議の手伝いや、日本における敵対マフィアの動向および内部調査などがあり。
並中絡みであれば、秋の文化祭準備や、十代目が参加される追加補習への御供兼御助言の役目などがあり。
尚且つ毎週末までにボンゴレ本部へ調査の結果報告もしなければならずで、とにかく色んな事が重なりに重なって……っ。
「だあああああぁぁぁぁっ! 何コレっ、何の祭りだよこりゃぁっ!」
突然叫びたくもなるってもんだ。次から次へと「この日はアレ、来週はアレ」と増殖しやがってっ。
あ、十代目は別件ですからね?
「だとしても忙し過ぎるわっ! 俺にどうしろって言うんだぁぁっ!」
そんな放課後の応接室で雄叫びを上げる俺は、この時、かなりの恐いもの知らずだったと言い切れる。
「ここでは静かに、って言ってるでしょ?」
先日も「うるさい」と殴られたばかり。我に返り、振り下ろして来るであろう制裁のトンファーに身構えた。避けても無駄だという事を今回も思い知らされる。
「イテテ。わ、悪かったよ。ちょっと頭がグルグルしててさ」
「忙しいのは知ってるよ。最近会ってないからね」
そう言うや軽く息を吐き凶器を収めたのは、恥ずかしながらも俺の恋人である並中の暴君代表、ヒバリだ。
去年の頭から付き合い始め、実は毎日のように応接室で逢瀬を重ねている。しかし夏の終わり頃からそれは叶っていない。
理由は簡単。
俺が忙し過ぎて、二学期になっても飛ぶ勢いで帰宅してしまうからだ。
辟易している上に、ヒバリにも会えないからストレスは極みまで上り詰めていく。
思考がそろそろ切れるだろうなぁ、と溜息をつき、火が点いていないタバコを咥えるや前歯でギリリと噛んだ。
「今日は予定が無いの?」
真向かいに座り直したヒバリが不意に問うた。
「あるよ。今日中に報告書を提出しなくちゃなんねぇ」
「いてもいいの? いつもならすぐに帰るじゃない、その報告書を作成する日は」
「帰るよ? 帰るけど、……今日はちょっとだけ栄養補給」
「?」
自分で言って照れる。頬を赤らめ顔を背けてしまった。
どんなドリンク剤よりも効くんだ。ヒバリという存在が、一番。
無表情だろうと、憤怒状態だろうと、呆れてバカにした目線だろうと、ただ傍にいて同じ空気を吸って、そして体温を感じるだけで「明日も頑張ろう!」っていう気になれる。
好き、という感情の特権。
お値段ゼロ円で確実に効く最高の栄養剤だ。
「ところで隼人。明日の予定はどうなってる?」
じんわりと身に沁みて来た効果に、ふにゃぁ、と変な声を出しつつソファーへと崩れた。と同時にヒバリが読んでいた本を閉じつつ質問をしてくる。眉根を寄せた。
「えっと……。あ、放課後は文化祭の打ち合わせがあるな」
「沢田一人だと心配だからって、キミまで立候補したアレだね?」
「おうっ。で、その後は、先週入院しちまった火薬屋のオヤジに贈る見舞いの品を買って」
「そう」
「明後日は十代目が補習をなされる日だから、特にイレギュラーがなければ終わるまで隣で一緒に勉強を……」
「沢田云々なんてどうでもいいし、明後日の事は訊いてない」
ここで急にムッとしやがる。すぐにヒバリは身を乗り出してきて、前置きもなく距離を縮められるた事にドキッと胸が跳ねた。
「な、何だよ」
「何が欲しい?」
「へ?」
小首を傾げた。
「どうせ気づいてないから言うけど、明日は誕生日でしょ?」
「……あ」
「何が欲しい?」
そうだった、9日は……。
口を開けたまま固まってしまった。「やっぱり気づいてない」と息を吐き、ヒバリは俺の横にと身を移動してくる。またドキドキッと震えた。ヤバイ、有り過ぎる効果は却って体に良くない。
離れろ、バカヒバリ。こ、このままじゃ静止が……。
自分の顔は真っ赤だ、間違いない。でも気づいていないフリをし、ゴホンッと咳払いをすると無理矢理の笑みのまま答えた。
「何が、っていきなり言われても、特には……」
「去年言ってたもんね。人から物を貰うのに慣れてない、って」
「あ、ああ」
直後、ニッと口角を上げられ思わず退く。
こういう表情の時、ヒバリは俺の肝を確実に潰しやがる。頬に流れるイヤな汗をそのままに言葉を待った。
が、次に言われたそれは肝は潰れるけど別の意味であり。
「―― じゃぁ、隼人には『時間』をプレゼントしてあげるよ。キミが走り回っている執務を、この僕が全て引き継いであげる」
「……は?」
何言ってんだ、オマエ。
呆けるが構わず続けられた。
「沢田のお守と見舞の品だっけ? それから何だっけ? ボンゴレへの報告書? そんなものは、敵対マフィアを殲滅させれば終わる話だ、コソコソ動向を伺うなんて聞いてて呆れる」
「ちょ、ちょっと待て。買い物はいいとしても、その他の事はオマエには関係ない……」
「ワオ。関係ないなんて言ってるのはこの口かい?」
即時ムギュッと抓られ涙が滲んだ。追って赤くなったソコを擦られドキドキドキッと脳が痺れてしまう。
「ヒ、ヒバリ?」
「悪いけど僕もストレス溜まってるんだ。なのに、会えないだけでなく隼人の誕生日も祝えないなんて、……絶対納得できない」
「…………」
「という訳だから、今年のプレゼントは『時間』を贈るよ。前払いで今日の報告書は僕が作ってあげるから。それじゃ、早速隼人のマンションへ行こうか」
「は、はぁっ?」
って、有無を言わさず立つなっ。
まだ呆然としている俺だけど、「ほら、早くして」と腕を引き上げられれば歩が進む。
何コレ。これこそ何の祭りだ。
要は誕生日に託けて、俺を独占したいだけの話じゃねぇか。
「……ぷっ」
あまりの事に噴き出してしまった。
これ以上放っておかれるのは嫌なんだってさっ、ヒバリさんはっ。ぷぷっ、めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか、素直に言えばいいのに言わない態度が特にっ。
「何笑ってんの。急がないと駅前のケーキ屋が閉まるじゃない」
「その前に、『明日はお気をしっかり持ってください』と十代目にメールしないと。オマエが突然横に座ったら、ビックリして倒れてしまわれるかもしれな、……ん? ケーキ?」
「誕生日にはケーキが必要でしょ?」
「だって明日じゃん、俺の誕生日は……、え……ええっ!」
次の瞬間、言葉の意味がわかって自分の体は発火した。
つ、つまり、『明日』までいるって事で、それって夜中までいるって事で……。
―― なぁにがプレゼントだよ。貰ってんのはオマエじゃん、結局。
「ったく。この甘えん坊ぉ」
「失礼だよ、キミ。言っておくけど別に深い意味なんてないからね?」
「へいへい。とか言ってベタベタしてくるんだろう? パターンは読めてんだよ」
「……咬み殺すよ?」
「へいへい。あ、ケーキはイチゴがたくさん乗ったホールがいいっ。一番デカイサイズなっ?」
……だから、有り過ぎる効果は良くないんだってば。
小突く俺を睨むも、すぐに「いいよ」と笑顔で了承してくれるヒバリから慌てて目を背けてしまった。
今年『も』最高の誕生日を迎えられる事に感謝する。
HAPPYBIRTHDAY dear HAYATO! with LOVE!!
END
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